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DNSレコードの種類と使い方 A・CNAME・MX・TXTで何ができる?

DNSレコードの種類と使い方 A・CNAME・MX・TXTで何ができる?

ドメインの管理画面でDNSの設定を開くと、A、CNAME、MX、TXTといった見慣れない項目がずらりと並んでいて戸惑う人も多いだろう。これらは「DNSレコード」と呼ばれる設定で、サイトの表示先だけでなく、メールの配送先や外部サービスとの連携まで、ドメインにまつわるさまざまな動きを決めている。今回は、主なDNSレコードの種類と役割、2026年時点のよくある使い方と注意点を紹介していこう。

DNSレコードとは

DNSレコードは、ドメインのDNSに登録する設定の1つひとつのことだ。1つのレコードは、主に「ホスト名」「タイプ」「値」「TTL」の組み合わせでできている。ホスト名はどの名前についての設定か(「@」はドメインそのもの、「www」ならwww.example.jp)、タイプはレコードの種類、値は向き先、TTLは問い合わせの結果を何秒間覚えておいてよいかを表す。

DNSの管理画面に並ぶレコードの例

example.jp のDNSレコードホスト名タイプ値(向き先)優先度TTL@A192.0.2.103600@AAAA2001:db8::103600wwwCNAMEexample.jp.3600@MXmail.example.jp.103600@TXT“v=spf1 include:_spf.example.net ~all”3600shopCNAMEshops.example.net.3600「@」はドメインそのもの(example.jp)を表す

1つのレコードは、ホスト名・タイプ・値・TTLの組み合わせでできている。MXレコードには優先度も付ける。IPアドレスやドメイン名は説明用のもの

DNSレコードは、ドメインを管理している会社やDNSサービスの管理画面から追加・変更する。サーバ会社でドメインをまとめて管理している場合は、サーバ会社の管理画面で設定することが多い。

Aレコード・AAAAレコード:ドメインとサーバを結びつける

もっとも基本となるのが、ドメイン名に対応するIPアドレスを登録するAレコードだ。たとえばexample.jpのAレコードに「192.0.2.10」と登録しておけば、ブラウザはそのIPアドレスのサーバに接続する。IPv6のアドレスを登録するのはAAAAレコードで、IPv4とIPv6の両方に対応する場合は2つとも登録する。

サーバを乗り換えるときも、Aレコード(とAAAAレコード)の値を新しいサーバのIPアドレスに書き換えれば、接続先を切り替えられる。切り替えの手順はサーバ乗り換えのチェックポイントで紹介している。

なお、Aレコードを向けるだけでは、共用サーバではサイトは表示されない。共用サーバは1つのIPアドレスで多くのサイトを動かしているため、サーバの管理画面でも、そのドメインを追加しておく必要がある。

複数のドメインは301リダイレクトでまとめる

会社名や商品名で複数のドメインを取得し、どのドメインでアクセスしても同じサイトを表示したい、ということはよくある。かつては、すべてのドメインのAレコードを同じサーバに向ければよいと説明されることもあったが、これはおすすめできない。共用サーバでは追加していないドメインは表示されず、表示されたとしても同じ内容が複数のドメインで公開されることになり、検索エンジンの評価が分散してしまう。HTTPSでは、それぞれのドメインのSSL証明書も必要になる。

複数のドメインをまとめるには、どのドメインもサーバに向けたうえで、メインのドメインへ「301リダイレクト」で転送するのが基本だ。301リダイレクトは「恒久的に移転した」ことを伝える転送で、検索エンジンの評価もメインのドメインに引き継がれる。サーバ会社やドメイン会社には、管理画面から転送を設定できる機能を用意しているところも多い。

複数のドメインを1つにまとめる方法

Aレコードを向けるだけの場合example.comexample.jpサーバexample.co.jp のサイト共用サーバでは表示されない表示されても同じ内容が複数のドメインに出て、検索で不利301リダイレクトでまとめる場合(推奨)example.comexample.jpサーバドメインを追加・SSL設定301example.co.jp評価が1つのドメインに集まり、利用者もいつも同じURLで表示される

Aレコードを同じサーバに向けるだけでは、共用サーバでは表示されず、表示されても同じ内容が複数のドメインに出てしまう。サーバ側でドメインを追加し、メインのドメインへ301リダイレクトで転送するのが基本だ

CNAMEレコード:別名を付けて外部サービスとつなぐ

CNAMEレコードは、ある名前を別の名前の「別名」として扱うためのレコードだ。たとえば「www.example.jp」をCNAMEで「example.jp」に向けておけば、www付きのアドレスでも同じサーバに接続される。

CNAMEがよく使われるのが、外部のサービスを自分のドメインで使うときだ。ネットショップやブログ、予約システムなどのサービスを「shop.example.jp」で表示したい場合、サービス側が指定するホスト名をCNAMEの値に登録する。CNAMEに書けるのはホスト名だけで、「https://」で始まるURLや、「/」以降のパスは書けない。サービス側で独自ドメインの設定を有効にする必要もあるので、各サービスの案内に従って設定しよう。

注意したいのは、ドメインそのもの(@)にはCNAMEを設定できないことと、CNAMEを設定した名前には、ほかのレコードを一緒に登録できないことだ。ドメインそのものを外部サービスに向けたい場合は、DNSサービスによっては「ALIAS」や「CNAMEフラットニング」と呼ばれる独自の機能が使える。

MXレコード:メールの配送先を決める

MXレコードは、そのドメイン宛てのメールをどのメールサーバに届けるかを決めるレコードだ。MXレコードには優先度の数字を付け、数字が小さいほうが優先される。メインのサーバに届けられないときは、次に小さい数字のサーバへ届けられる。

MXレコードを使えば、Webサイトとメールを別々のサービスで運用できる。サイトはレンタルサーバに置き、メールはGoogle WorkspaceやMicrosoft 365を使う、といった構成だ。この場合、MXレコードを各サービスが指定するメールサーバに書き換える。メールの容量やスパム対策をメールサービスに任せられ、サーバを乗り換えるときもメールに影響が出にくい。

MXレコードでWebとメールを分ける

example.jpドメインのDNSAレンタルサーバWebサイト(https://example.jp/)MXメールサービスGoogle Workspace・Microsoft 365 などサイトを表示するメールを受け取る

AレコードでWebサイトをレンタルサーバに、MXレコードでメールをメールサービスに向ければ、Webとメールを別々のサービスで運用できる

MXレコードを切り替えると、しばらくの間は古いメールサーバにもメールが届くことがある。切り替えの前後は、新旧両方のメールボックスを確認するようにしよう。

TXTレコード:所有確認と送信ドメイン認証

TXTレコードは、ドメインに任意の文字列を登録するためのレコードだ。現在は主に2つの用途で使われている。

1つは、ドメインの所有者であることの確認だ。Google Search ConsoleやGoogle Workspace、Microsoft 365などのサービスを使い始めるとき、指定された文字列をTXTレコードに登録すると、そのドメインを管理していることを証明できる。

もう1つが、メールの送信ドメイン認証だ。そのドメインのメールを送ってよいサーバを示すSPF、メールに電子署名を付けるDKIM、認証に失敗したメールの扱いを決めるDMARCは、いずれもTXTレコードで設定する。大手のメールサービスは、大量にメールを送る送信者にこれらの設定を求めており、設定していないと迷惑メールと判定されやすくなる。なお、SPFは1つのドメインに1つのTXTレコードにまとめる必要があり、複数登録すると正しく動かない。

そのほかのDNSレコード

管理画面では、ほかにもいくつかのレコードを目にすることがある。NSレコードは、そのドメインのDNS情報を管理しているネームサーバを示すレコードで、ドメイン会社の管理画面で「ネームサーバの変更」として設定することが多い。CAAレコードは、そのドメインのSSL証明書を発行してよい認証局を指定するレコードだ。SRVレコードは、特定のサービス(通話やチャットなど)のサーバを示すときに使われる。

IPアドレスからドメイン名を調べる「逆引き」に使うPTRレコードは、ドメインのDNSではなく、IPアドレスを管理する事業者(サーバ会社やプロバイダ)が設定する。メールサーバの信頼性の確認などに使われている。

主なDNSレコードのまとめ

タイプ 役割 よくある使い方
A/AAAA ドメイン名に対応するIPアドレス(IPv4/IPv6) Webサーバの向き先、サーバの乗り換え
CNAME 別の名前の別名にする www付きのアドレス、外部サービスを自分のドメインで使う
MX メールの配送先(優先度付き) Google Workspace・Microsoft 365などのメールを使う
TXT 任意の文字列 所有確認、SPF・DKIM・DMARC
NS DNS情報を管理するネームサーバ DNSサービスの切り替え
CAA SSL証明書を発行してよい認証局 意図しない証明書の発行を防ぐ
PTR IPアドレスに対応するドメイン名(逆引き) IPアドレスの管理者が設定。メールサーバの信頼性の確認

よくある質問

AレコードとCNAMEレコードはどう使い分けますか?

IPアドレスで向き先を指定するならAレコード、別のホスト名に向けるならCNAMEレコードを使う。ドメインそのもの(@)にはCNAMEを設定できないので、ドメインそのものにはAレコード、wwwや外部サービス用のサブドメインにはCNAMEを使うことが多い。

複数のドメインで同じサイトを表示するにはどうすればいいですか?

すべてのドメインをサーバに向けたうえで、メインのドメインへ301リダイレクトで転送する。Aレコードを同じサーバに向けるだけでは、共用サーバでは表示されないことが多く、同じ内容が複数のドメインに出て検索で不利になる。

MXレコードの優先度は何を意味しますか?

メールを届けるサーバの順番で、数字が小さいほうが優先される。優先度10と20のMXレコードがあれば、まず10のサーバに届け、届けられないときに20のサーバへ届ける。

TXTレコードには何を設定するのですか?

主に、サービスを使い始めるときのドメインの所有確認と、メールの送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)を設定する。SPFは1つのドメインに1つのTXTレコードにまとめる必要がある。

DNSレコードを変更するとすぐに反映されますか?

変更前のレコードに設定されていたTTLの時間が過ぎるまでは、古い情報が使われることがある。サーバの乗り換えなどで切り替える場合は、前日までにTTLを短くしておくと、切り替えが早く反映される。

ピックアップ用語解説:DNSの管理画面

DNSレコードを追加・変更するための画面。ドメイン会社やDNSサービスのほか、サーバ会社でドメインを管理している場合はサーバ会社の管理画面から設定する。多くの事業者で設定できるが、使えるレコードの種類(CAAやALIASなど)は事業者によって異なる。

ピックアップ用語解説:301リダイレクト

あるURLへのアクセスを、別のURLへ恒久的に転送する仕組み。「ページが恒久的に移転した」ことをブラウザや検索エンジンに伝えるため、検索エンジンの評価も転送先に引き継がれる。ドメインの統一や、サイトのURL変更のときに使われる。

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